何度でも訪れたくなる村くのわき

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大井川にかかる一番長い吊り橋「恋金橋(塩郷の吊り橋)」を渡った先に、約200人が暮らす小さな集落があります。静岡県川根本町の久野脇(くのわき)。ここが「縁結びの村」と呼ばれるのには、二つの物語があります。

恋金橋(塩郷の吊り橋)
大井川に架かる恋金橋。長さ220m、高さ10m

動画で見る くのわき

吊り橋を渡った先の小さな村と、そこに暮らす人たち。まずは動画で、くのわきの空気を感じてください。

紹介動画(村の人たちのインタビューを含む)
地域の様子ダイジェスト

恋金橋に伝わる「甚太とおつま」の物語

むかし、久野脇の名主の家に「おつま」という一人娘がいました。大切な跡取り娘として厳しく育てられたおつまは、年に一度、一月七日の佐澤薬師堂のお祭り「ひよんどり」の夜だけは、遅くまで祭りを楽しむことを許されていました。

ある年のひよんどりで、おつまは対岸の地名(じな)に住む若者「甚太」と出会います。甚太は毎夕、桶の舟で大井川を渡っておつまに会いに来るようになりました。けれども二人の仲を知った父親は激怒し、おつまは家から出ることを禁じられてしまいます。

甚太に会いたい一心で、おつまは毎晩こっそり薬師堂へ通い、お薬師様に願をかけ続けました。雨の日も風の夜も欠かさず祈り続けたある晩、夢枕に立ったお薬師様が告げます。「明日の子の刻、お堂の前へ来なさい」。

翌日、父親は代官所へ納める大切なお金の入った胴巻をなくして大騒ぎ。そんな中、おつまが薬師堂へ行くと、同じ夢を見た甚太が待っていました。二人は手を取り合って村を出ようと渡し場へ向かいますが、その途中でおつまが拾ったのは、父親がなくした胴巻でした。

「お父つぁんが困っている、すぐに帰ろう」と甚太が言い、二人は家へ戻ります。財産こそ幸せと信じていた父親は、二人の心根に触れて自分の間違いを認め、甚太を婿として迎えました。婚礼は三日三晩続き、二人は末永く幸せに暮らしたと伝えられています。

胴巻を拾った渡し場のあたりは、いつしか「恋金(こいがね)」と呼ばれるようになりました。塩郷の吊り橋が「恋金橋」という愛称を持つのは、この物語にちなんでいます。

もっと読む物語の全文は、くのわき親水公園キャンプ場のサイト「くのわき昔話」で読むことができます。くのわき親水公園キャンプ場

縁を結ぶお薬師様「佐澤薬師堂」

佐澤薬師堂
薬師如来

物語の舞台となった佐澤薬師堂のご本尊は「薬師瑠璃光如来」。戦国時代に武田軍の焼き討ちで失われましたが、村の有力者の夢枕に立った薬師如来の「もう一度祀ってほしい、できれば水辺に」という言葉をきっかけに再興されました。台座には慶長9年(1604年)入仏の記載が残っています。

縁結びに大変ご利益があり、お願いをすれば必ず良縁を授けてくれるといわれ、今も人知れず参拝に訪れる人が絶えません。境内の片隅には子宝祈願の「子持ち石」も祀られています。

例祭は毎年1月7日の夜から8日にかけて。60年に一度の庚子の年には、薬師如来をお堂の外に出して地域を巡る大祭が行われます。
薬師堂の例祭 ひよんどり
毎年1月7日夜から8日にかけて行われる例祭。7日夜にはたき火を囲んで「ひよんどり」が行われます

佐澤薬師堂の詳しい紹介を見る

集落を一周すると、人生の良縁がそろう

久野脇が「縁結びの村」といわれるもう一つの理由は、集落内を一周すると「出会い〜子宝〜安産〜子育て〜夫婦円満」まで、人生の良縁スポットが点在していることです。恋金橋、恋がねの鐘、佐澤薬師堂と子持ち石、子安観音、八幡神社、六地蔵、そして塩郷の夫婦滝。歩いて3時間ほどの小さな村に、ご縁の物語が詰まっています。

恋金橋と集落

各家庭の庭にある果実の木には、この地域ならではの在来種もあり、とても自然豊かなところです。久野脇では「恋がね農園」での農業体験や各種イベントを通じて村のファンづくりを目指しています。田舎のおじいちゃん、おばあちゃんが皆さんを温かくお迎えします。

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